哀乃Aino

PRIFMA

独白

結末から話そうあれもこれも意味などなかった軋み傾いた理想性懲りも無くまた壊してしまったかな愛した花は咲いた?まだ?「だと知っていた」揺らいで泣いた交差点の向こうあなたを見つめてる いっそ狂えたなら冷めた明日も抱いて眠れた

灰燼を喰む

瓦礫のベッドで仰ぐ天幕誰一人いない晩餐額縁収めたいほど愉快な情景虚しさ愛しさ 全て重力に飲まれる 白黒入り乱れ最後の雨が地を均す朽ち果てた理想郷に終末の鐘が鳴る 星は墜ち翻る空御伽の夢は遠く灰の中眠る麗しい終の色彩なにも

人形と黒翳

街はずれの劇場の奥並べられた人形達かつての名声は翳るも穏やかな愛を捧げる主人 端に置かれた不恰好な一人も平等に大事にされていた ある日彼らをみてはしゃぐ美しい孫娘白い手で撫でられた彼は恋に落ちた みんな眠る夜オルゴール鳴

愛は桃源にて

待ちに待った年に一度のお祭りお気に入りのピンクのドレスを着て髪の毛結えてお化粧ちゃんとしたら気になるあの人に会いに外へでかけましょう ああ 楽しみだわどんな顔をするの?私かわいいでしょこの日を夢見たの 怯えた顔もいじらし

追憶と紫煙

Fear the witch,The threat still alive Fear the witch,Wisdom begins there 常闇の森澱む深淵誰も寄り付かない不浄の土地痣持つ赤子“呪い運ぶ”と忌み嫌わ

流転の伽藍

あゝ 陥落の名早くもfailたゆまぬ有為転変感覚の奴隷I’m stuck in a drain確たる truth is gain and painまだまだ争うの浅はかバカの嘘さながら空のbottle叩きゃ響く 杯 返し 

蒼炎

誰かが言いました激しく燃えるものほど煌めく引き換えにその身をすぐ焦がしきると 数ある燭台にお好きな火を灯しましょう期待と裏腹に燻ればお生憎様 ランランランラン右手には錆びた時計ランランランラン左には油の筒ランランランラン

碧落の夢を見る

鳥の囀りに誘われて大きな木々を掻き分け深い森のずっとずっと奥あなたの尾を踏んだ 初めて聞いた声はその体躯に似合わずに間抜けな叫びにも似ていて暖かくこだました 碧落の果ての果て遠く呪いが届かない地へ哀しみの音追い越したら虹

翠嵐の彼方より

灰の雨はやがて上がり玉の音が果てより空に響く 遠くの地で罪ない子供が撃たれたある少年が偉い人を襲ったのが始まり待ってましたとばかりにほくそ笑む影指先一つで金に変わる人々 愛も記憶も銃弾になった柄にもなくせがむわたしを置い

喜劇は黄昏に幕

「自分の人生に題名をつけてください」ご立派なドラマに仕立て浸るクラスメイトいつだって希望は泥の味がした死ぬまでに目にする絶望の数を知りたい? 幾度と味わう負の功利主義膨れた顕示欲の思いつき大きすぎた壁の向こう遠い国へと

真愛ハ朱ニ交ワラズ

フリルいっぱい日傘さしてつやつやなおでこ靴を鳴らす今日もご機嫌なお姫様ラタラタタさあお散歩しましょ おっきなリボン靡かせて歩く道はまるで薔薇のお庭のようちょっぴり変わり者だとか言われたって私らしく生きたいの ああずっと醒

晦冥裂く緋星

かつて 東の果て神に捨てられた街飢えは疑いと諍(いさか)いを運ぶ取り合う手はやがて叩き合うために 聞いたの御伽の中で救う光を笑い合う日々すら忘れる前に 時を超え緋く瞬きこの闇を照らせ澱(よど)む静寂を振り切って紺碧の空へ

紅玉は渦中で嗤う

一人目は旅の賢者揺らぐ光に魅せられて道すがら私を拾い上げた「欲を知りなさい」 二人目は町の領主年甲斐もなく入れ上げて地位名誉溶かし衰え果てた「恋を知りなさい」 ねえ 見たこともないような美しさでしょう? ラルラリラこの唇