哀乃Aino

罪華|XYKA

憤怒

懐かしむ夢 ひどく穏やかに明日には消えもう思い出せず凪いだ水面のようにどこまでも静かな闇私を染めていく 他でもない私が選んだんだこの身を焦がすことその炎は思うより痛みはなくただ心が飲まれていく雷のように鋭く音を立て切り刻

強欲

神曰く「受けるよりも与えれば尚幸福」だと蓋開けりゃ騙し合ってババを押し付け合うなんて素敵ね神曰く「財産から人は生まれやしない」とそれなのに金や物のために数多の人が死ぬ ああ大事そうに嘘ばかりの物語を抱いてああ教育され唆さ

嫉妬

おかげさまで長い長い夜をおかげさまで苦い苦い時をまたとない機会に感謝しましょうああおかしいわ 小さな「ありがとう」 私ずっと考えてるのこの炎が灼き尽くすのはあなたか私かそれとも全てか 「後ろの正面誰?」 哀れなほど愚かな

怠惰

ねんねんころりらりベッドの上だんだん沈んでいく意識全然興味ない事まみれな毎日です 喧々申したい言い逃れで散々煙に巻く日々に延々「こうしたい」嘘まみれな毎日です 世界中耳障りで眩むたった一人このユートピアで さあ眠りにつき

色欲

ぐるぐる廻る館の奥深く叫ぶ声は届かず今宵も一人招かれ消えてゆく枯れ果ててさようなら さあおいで 遊びましょう赤と黒の渦の中「もういいかい?」「まだだよ」夢うつつの戯れを 深く深く 闇を駆けて暗く暗く 淀む空長く長く 伸び

傲慢

哀れむほど弱く無益な愚者達へ 地平線の向こう側続くこの町は世界と呼ばれた愛も夢もなにもかもここに全てある全て見つけられるとさ 人が人へ智を伝え育つこの町は楽園と呼ばれたできないことなどないと逆上せあがるほど肥えた無知の群

暴食

snap snap snapさあ満たされるまであれもこれもいただきましょう 次から次に目の前に並べられるご馳走色とりどりかつよりどりみどり頰が落ちそう代わりはいくらでもある 食べ飽きたら残り物放り込もう 飲み干そう味わう